既存の大谷石擁壁をそのまま残した状態で新築建物を建てた場合、せっかくの新築住宅でも、古い擁壁の印象を引きずってしまい、外構全体の完成度が下がってしまうことがあります。
- 既存の大谷石擁壁が汚れて見える
- 大谷石擁壁の表面がボロボロと崩れてきた
このようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、既存の大谷石擁壁を壊さずに活かしながら、左官+ジョリパット仕上げで美しく再生する外構リフォームです。
擁壁を解体せず、表面を丁寧に化粧し直すことで、見た目・建物全体の雰囲気を大きく改善することが可能です。
本記事では、既存大谷石擁壁リフォームの魅力と、実際の施工事例をご紹介します。
既存の大谷石擁壁が「ボロボロ」「外構と合わない」と感じたら
既存の大谷石擁壁を残したまま新築建物を建てられているお宅は、高低差のある神奈川県という土地柄、決して少なくありません。
せっかく建物や外構をきれいに整えても、「古い擁壁の印象」が強く残ってしまい、どこか惜しい見た目になるケースも多く見受けられます。
また、大谷石は素材の特性上、雨風の影響による劣化が進みやすく、石のカスや粉が落ちてくることで、ご近所に迷惑をかけていないか心配になる方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合は、既存の大谷石擁壁を活かしたまま、表面をリフォームで化粧し直すという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。新築から数年後のリフォームであっても、空間全体の印象が大きく向上することは間違いありません。
先日も、以前に弊社で外構工事を施工させていただいたお客様よりご相談をいただき、新築から数年後に大谷石擁壁のリフォーム工事を実施いたしました。
実際の施工写真を交えながら、大谷石擁壁リフォームの魅力についてご紹介していきます。
実際の施工例|大谷石擁壁リフォーム
Before|既存の大谷石擁壁

こちらが施工前の大谷石擁壁です。上部の外構は新築時に弊社で施工させていただきました。
大谷石は柔らかい石材のため、経年劣化により表面が崩れ、ボロボロと落ちてくるのが特徴です。写真からも、その様子が確認できるかと思います。
After|左官+ジョリパット仕上げ

既存大谷石の表面を左官壁で丁寧に化粧直ししました。大谷石特有の粉やカスが落ちる心配もなくなり、安心して暮らせる状態になっています。
印象が一気に変わり、外構全体が引き締まりました。
そもそも「大谷石擁壁」とは?
大谷石とは、栃木県宇都宮市北西部・大谷町付近で採掘される多孔質の石材です。軽くて柔らかく、耐火性に優れていることから、昔から建材として多く使われてきました。
フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルでも使用されるなど、歴史的にも評価の高い素材です。現在でも和食店の壁などで目にすることが多い石材ですね。特に1950〜1960年代頃には、造成地の擁壁として大谷石が多く使用されました。
大谷石は多孔質という性質上、雨風にさらされることで劣化が進みやすく、現在の建築基準法を満たしていない擁壁も多く残っています。
大谷石擁壁と混同されやすい「間知(けんち)擁壁」とは?
大谷石擁壁のリフォームをご検討される中で、自宅の擁壁が大谷石か間知擁壁か分からない方も多く見受けられます。
ここでは補足として、間知擁壁について簡単に整理します。
間知擁壁とは?
間知擁壁とは、間知ブロック(間知石)を積み上げて造られた擁壁のことです。昔の日本のお城の石垣をイメージしていただくと、分かりやすいかと思います。
- 正面:約30cm角の正方形
- 裏側:ピラミッド状(とんがりコーンのような形)
この裏側部分に、コンクリート・砕石・栗石などを詰めながら積み上げていきます。
名前の由来は、正面が約30cm角のため、6個で1間(約1.8m)になることから「間知石」と呼ばれるようになったと言われています。
間知擁壁も「化粧直し」で印象を変えられる
間知擁壁の積み方は、大きく分けて2種類あります。
- ① 練積み(ねりづみ)
-
モルタルやコンクリートを使用する工法で、公共工事でも採用されています。安定性が高く、高さ約5m程度まで施工可能です。
- ② 空積み(からづみ)
-
セメントを使用せずに石を組む工法です。現在の建築基準法では認められていません。
コンクリート製の間知ブロックを用いた練積み擁壁の場合、大谷石擁壁のように石が崩れ落ちることはありませんが、経年による汚れや、外構全体との調和が気になるケースはよくあります。
そのような場合でも、大谷石擁壁と同様に、左官工事による化粧直しを行うことで外構全体の印象を整えることが可能です。
既存擁壁リフォームの「魅力」と「注意点」
既存擁壁リフォームの「魅力」
- 見た目と空間の印象が大きく変わる
-
古い擁壁を化粧直しすることで、モダンで統一感のある外構デザインが可能になります。
- 大谷石特有の劣化トラブルを抑えられる
-
表面をモルタルで保護することで、粉や石のカスが落ちる心配がなくなり、安心感が生まれます。
既存擁壁リフォームの「注意点」
- 表面リフォームであるという理解が必要
-
今回ご紹介している工事は、擁壁そのものの構造寿命を延ばす工事ではなく、あくまで表面の化粧直しです。
- ヒビ・割れの可能性はゼロではない
-
元々の擁壁下地が複数のパーツ(個々の大谷石ブロック)で構成されているため、地震などが起きると個々の大谷石ブロックが別々の揺れ方をすることでヒビが入る可能性があります。
※ラス網などの補強対策は行いますが、100%防げるものではありません。
古い大谷石擁壁をよみがえらせる
左官+ジョリパット仕上げとは
既存大谷石に対して左官工事で化粧直しを行う場合、お見積りを取ってみると想定以上に高額と感じられるかもしれません。
それは、既存下地に対する細かな処理が多いことが一因です。仕上げ工事をしてしまうと見えなくなる部分ですが、実はここがとても大切な工程でもあります。
施工中の写真を交えながら、どのような作業を行っているのか、ざっくりとご紹介します。
① 既存大谷石の表面処理・目地補修

まずは既存の大谷石の表面をきれいにします。状態の悪い部分は削り取り、その後、目地にモルタルを詰めていきます。
② 水抜きパイプの延長

次に、水抜きパイプを延長します。仕上げ厚みが増すため、サイズが合わない場合もあり、実はなかなか手間のかかる作業です。
③ モルタル下地処理・ラス網施工

表面に一度モルタルで下地処理を行い、その上にラス網を貼ります。ラス網は、将来的なヒビや割れに対する予防策です。
さらに表面にモルタル左官で下地処理を行い、モルタルとモルタルでラス網を挟み込むイメージで仕上げていきます。
④ ジョリパット・トップコート仕上げ

最後に、ジョリパットなどの塗料や、必要に応じてトップコート(防汚コート)を塗布して仕上げます。
外構リフォームを成功させるための業者選び
既存の大谷石間知石擁壁の化粧工事は奥が深いものです。
現場の状況によっては、既存の大谷石擁壁を残したまま、手前にフラットな壁を新設することもできます。外構リフォーム工事には、さまざまな可能性があるのです。
そこで、外構リフォーム工事を進める際の業者選びのポイントもまとめてみました。
リフォームへの向き合い方を見る
外構リフォーム工事では、既存の外構がある状態で「どこまで既存部分を残し、どの部分の既存下地を活用するか」を柔軟に検討する必要があります。そのため、施工会社の経験値も重要になります。
実際に、ご希望の内容に近いリフォーム工事の実績がある会社を選ぶことで、より安心して相談しやすいと思います。
デザイン提案力を見る
せっかく外構リフォーム工事を行うのであれば、毎日目にする空間だからこそ、デザインにもこだわってみてはいかがでしょうか。自分の好きなデザインで暮らすことで、毎日家に帰るのが楽しく感じられるはずです。
デザインにこだわるのであれば、お気に入りの施工事例を多く持つ会社に依頼することが、リフォーム工事成功への近道となります。
下地処理の説明があるか
今回ご紹介した大谷石擁壁の塗り替え工事もそうですが、最も差が出るポイントは、完成後には見えなくなる「下地工事」です。下地処理をどこまで丁寧に行うかによって工事金額は変わりますが、その分、工事後の安心感にも大きな違いが出てきます。
長く暮らす空間だからこそ、見えない部分までしっかりと工事を行ってくれる会社に依頼してみてはいかがでしょうか。
まとめ
外構リフォーム工事によって、住まい全体の印象は大きく変わります。
特に大谷石擁壁は、新築時に手を加えられていないケースも多く、数年後にリフォームすることで外構が一段と美しく見えるようになります。
また、大谷石擁壁の場合、経年劣化による石の粉やかけらが落ちるといった不安もつきものです。表面を化粧し直すことで、見た目が良くなるだけでなく、安心して暮らせる外構へとつながっていきます。
外構は、毎日目にする場所であり、住まいの印象を大きく左右する大切な空間です。
栄和ガーデン株式会社では、図面一枚、素材ひとつにまでこだわりながら、建物や暮らしに自然に馴染む外構デザインを心がけています。
「せっかくなら、長く愛着を持てる外構にしたい」
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご要望を丁寧に伺いながら、納得できる形を一緒に探していけたらと思います。










