エクステリア照明を利用して、素敵なナイトシーンの演出が可能です。
エクステリアライト(アウトドアライト)とは?
エクステリアライト(アウトドアライト)とは、屋外に設置可能な照明のことです。
照明器具も様々な種類が出ていますが、屋外での使用を目的として作られた(防水面の課題をクリアした)商品のみが、エクステリアライト(アウトドアライト)として扱われます。
(屋内用の商品を屋外で使用する行為は、漏電の危険があるため不可能です。漏電とは、器具の故障・ブレーカーが落ちる・火災・感電などを指します。)
エクステリアライトの施工される場所・種類
門灯・ポーチ
- 門灯:ウォールライト、ポールライト、スポットライト、グランドライト等
- ポーチライト:玄関ポーチ脇のポーチライト
アプローチ・階段
- アプローチライト:ポールライト、スポットライト、ラインライト、グランドライト等
車庫
- カーポートライト:スポットライト、ダウンライト
- ポールライト
- グランドライト
庭
- ガーデンライト:スポットライト、ポールライト等
- デッキライト:グランドライト、アップライト、ラインライト等
- グランドライト
- 暗がりを無くすことで、不審者にその気にさせない
- 人感センサー付きの照明でしたら、センサーで警告できます。
エクステリアの照明計画は住宅の設計時に行なっておく
エクステリアの照明計画は、住宅の設計時にある程度考えておきましょう。
家の中にスイッチを付けておけば、家の中からON/OFF切り替えができる。
家の中にスイッチがない場合、屋外コンセントから照明用の電気を取り出します。
屋外コンセントも複数付けておくと、計画・生活する上で便利です。
建物外壁にスポットライトを付ける場合、カーポート屋根によって遮光されるケースもある。
建物外壁への工事は、一般的に建物本体工事ですので、住宅設計時に「カーポート屋根設置予定」など伝えておきましょう。
ポーチライトに関しては、デザインイメージを統一した商品を選びましょう。
例えば、シンプルモダンの雰囲気の建物×シンプルモダンのエクステリアを造るなら、ポーチライトも同様にシンプルモダンな意匠性の照明器具を選びましょう。
エクステリアのオシャレな照明演出方法
エクステリアに照明を入れる上で、オシャレな演出方法をまとめてみました。
照明のイメージを考える
照明関係のキーワードで、よく「間接照明」と「直接照明」という言葉を聞くと思います。
例えば、インテリアの例をイメージして頂くと分かりやすいです。
間接照明
壁を照らして、その反射光で空間をほんのり明るくする。一室多灯にして、間接照明の個数を増やして全体を明るくする、くつろげる灯り。
直接照明
天井からシーリングライトで全体を照らす灯り。活動的な灯り。
エクステリアの照明の使い方は、「間接照明」に近くなります。
複数の照明を効果的に配置することで、暗い夜の空間全体を、ほんのり明るくするイメージです。
もちろん、表札や植栽を直接照らしますが、その反射光は照らしている対象物の周囲を柔らかく包み、影で空間を魅せることができます。
エクステリアで照明を入れる場合も、インテリアの間接照明と同様に、複数の照明を効果的に配置することで、オシャレに空間を演出することができます。
「サバンナ効果」を利用する
照明の演出に「サバンナ効果」というテクニックがあります。
まずは、サバンナ(草原)をイメージしてください。
あなたは、サバンナ(草原)に立っています。後ろを振り返ると森があります。森の中は暗いです。
次に、森の中をイメージしてください。
あなたは、森の中に立っています。正面を見ると、木々の間にサバンナ(草原)が見えます。サバンナ(草原)は明るいです。
あなたは、どちらに行きたいと思いましたか?
これらは、店舗設計や行動設計で使われるテクニックです。
心理学的に考えると、人は暗い所より明るい所に引き寄せられます。
逆に、明るい所から、暗い所へは入りにくいです。
暗い森の中で迷った人が、森の外に広がる太陽の光を浴びた明るい草原(サバンナ)を見て、暗い森から草原へ駆け出すという例え話から「サバンナ効果」と名前が付けられた。
https://makitani.net/shimauma/savannah-effectより引用
このテクニックは店舗設計などで、よく利用されます。
エクステリア照明でも、このテクニックを利用することで、より魅力的なナイトシーンの演出が可能です。
例えば、アプローチから玄関に向けて複数の照明を配置することで、暗い所から明るい所へ向けて、自然と導かれるような園路の演出が可能になります。
光量と配置に注意(スポットライトを利用する場合)
スポットライトを利用する場合、同じ形状の照明でも光量の違いにより種類が異なります。
例えば、5mの高木を照らす場合と、1.5mの中木を照らす場合では、必要な光量も変わってきます。この場合、照らす対象物の高さに合わせて、商品を選択するのが良いです。
また、スポットライトを配置する場合も注意が必要です。
現在、エクステリアライトではLEDが主流ですが、LEDの光は目に入ると特に眩しく感じます。
そういった「不快グレア(不快感を与えるまぶしさ)」に配慮して、メーカーによってはスポットライト用の専用フード(発光部分を隠す部材。これを付けることで直接目に入りにくくします)を別売りで準備しています。
照明を選ぶ際、専用フードのある照明を選んでおくと、後からでも「不快グレア」に配慮可能です。
植栽やオブジェクトを活用する
植物、水、石、外壁など、植栽やオブジェクトを照らすことで、より魅力的なナイトシーンを演出することができます。
照明の魅力の1つは、立体的に空間を演出してくれることです。
例えば、高木にスポットライトを照らすと、建物外壁をキャンバスとして、高木のシルエットが映り込みます。もちろんですが、風が吹くと樹と影が揺らぎます。
そんな空間造りをすると、見る人に対して、幾重にも渡っての印象的な空間として心に響く空間の演出が可能です。
素材を活かしたライティング
照明器具自体を一つのアクセント素材として使用することも可能です。
例えば、オーシャンをイメージしたリゾート風エクステリアの場合、演出として、「マリンランプ」を設置することが多いです。昼間の景色でも、「マリンランプ」自体を一つの景観として、空間を魅力的に演出することができます。
なお、植栽を照らすスポットライトの場合は、印象として生活感が強いため、植栽や石の影に隠すなど、見せない様に配慮すると良いです。
魅せる照明、魅せない照明、照明個々のデザインで、考えてください。
取り付け場所別、エクステリア照明テクニック
取り付ける部位別に、エクステリア照明テクニックをまとめてみました。
表札
表札に照らす照明には、いくつか種類あります。
- ウォールライト
- グランドライト
- スポットライト
- ポールライト
スポットライトの場合は、光量が大きくならないよう注意が必要です。
アプローチ
アプローチにエクステリアライトを設置する場合は、サバンナ効果を発揮できるよう、いくつかの照明を人の動線上に配置し、玄関まで歩く人を導くのが理想です。
- ポールライト
- スポットライト
- グランドライト
- ラインライト
ポールライトやグランドライトだけでなく、植栽灯としてのスポットライトなどで、植栽を照らしながら動線を照らすことも素敵に魅せるコツです。
また、フローティング階段にラインライトを仕込むことで、夜間の歩行の際の安全対策にも繋がります。
壁
アクセントウォールや建物外壁に、エクステリア照明を照らすこともできます。
- ウォールライト
- スポットライト
- グランドライト
※建物外壁にポーチ灯を取付する場合は、建物本体工事となるため、建築計画初期段階でハウスメーカーの担当に相談してみてください。
車庫
車庫に照明があると、夜間の車の出し入れの際、安全です。
- ポールライト
- グランドライト
- スポットライト(※カーポート屋根がある場合)
※建物外壁にスポットライトを取付する場合は、建物本体工事となるため、建築計画初期段階で、ハウスメーカーの担当に相談してみてください。
庭
どこまで庭の工事をしているかによって変わってくるため、一概にまとめることができない部分です。
しかし、庭に照明を入れることで、家族や友人と過ごす時間や、仕事帰りにまったりゆったり過ごすなど、「庭のある暮らし」を楽しむことができます。
庭計画と合わせて、照明計画もしてみてください。
- スポットライト
- ポールライト
- ウォールライト
- デッキへの埋め込みライトやラインライト
スポットライトは植栽や、壁泉、アクセントウォールなどを照らし、ポールライトは全体を明るく演出します。
またウォールライトはアクセントウォールを照らし、デッキライトは使用するデッキによって埋め込みライトがあったり、ラインライトがあったりと、そもそも照明自体の取付が不可のケースもあります。
いずれにしても、庭に照明を設置する場合は、複数の照明を何箇所かに分けて配置すると、ナイトガーデンを素敵に演出することが可能です。
まとめ
自宅のエクステリアや庭を工事しても、普段、仕事で帰りが遅いと、中々ゆっくりと見る時間が取れないかと思います。だからこそ、照明を入れることで、素敵なナイトシーンを作ることをオススメします。
それは、普段の仕事帰りの癒しの他、例えば、家族や友人と一緒にパーティーをできる場ともなります。
もちろん、一人でゆっくりウィスキーやコーヒー片手に、風を感じてもいいかもしれません。
エクステリアや庭を造る場合には、是非、照明を検討してみてください。