新築の外構工事、せっかくなら後悔のない仕上がりにしたいものですよね。
外構業者を探すと、「デザインを強みにしている会社」「価格の安さを打ち出している会社」など、方向性の異なる業者が数多くあります。
どちらが正解というわけではなく、お客様の価値観によって最適な選択肢は異なります。
この記事は、外構業界で働く一人として、できるだけ公平な目線でまとめてみました。
「本当に満足できる外構業者」を見つけるためのヒントになれば幸いです。
外構業者にはどんなタイプがある?

「外構」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?門まわりやフェンス、駐車スペース、庭づくりなどを思い浮かべる方が多いと思います。
実際に外構工事を依頼する前の段階では、会社ごとの違いが分かりにくいかもしれません。しかし実情としては、外構業者ごとに得意分野や提案スタイルが大きく異なります。
今回のコラムでは、見積もりを取る前に知っておきたい外構業者のタイプを分かりやすく整理してみました。
ご自身のイメージに近い会社にスムーズにたどり着ければ、きっと満足度の高い外構づくりができるはずです。
・デザイン提案型(デザイン重視・提案型の外構会社)
・コスト重視型(価格重視・効率型の外構会社)
デザイン提案型の特徴

デザインと提案に自信のある会社です。
建物や土地、空間との調和を重視し、唯一無二の外構デザインを追求します。
「せっかくならカッコいい外構にしたい」「家を引き立てたい」という方にぴったりのスタイルです。
- 唯一無二のデザインを実現できる
-
外構をカッコよく仕上げることで、建物のデザインもさらに引き立ちます。
- 契約前に完成イメージを確認できる安心感
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提案型の会社では、丁寧な図面やパースを用意してくれることが多く、まだ完成していない外構を“見える形”で確認しながら進められます。
- アフターフォローが充実している
-
施工品質にも自信がある会社ほど、引き渡し後のフォロー体制を大切にしているため、長く安心して暮らせます。
- 価格が高くなりやすい
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コスト重視型に比べ、提案内容がオーダーメイドになる分、打ち合わせや図面作成などに手間と人件費がかかります。一件一件オーダー対応だからこそ発生する費用です。
- 完成までに時間がかかる
-
プランを丁寧に練り上げる過程で時間を要するため、スピードを重視する方にとってはややデメリットになるかもしれません。ただし、完成度を重視したい方にとっては“必要な時間”とも言えます。
デザインの得意・不得意にも注目
デザイン提案型の会社でも、得意とするジャンルはそれぞれ異なります。
そのため、自分の好みに合う施工事例を多く持つ会社を選ぶことがポイントです。
たとえば、ランチに行く場面を想像してみてください。
イタリアンレストランに入って蕎麦を注文すると、「お店選びを間違えた」となりますよね。
同じように、外構会社にも得意分野があります。
- シンプルモダンが得意な会社
- 和モダンに強い会社
- エレガントが得意な会社
それぞれ方向性が違うため、自分の“理想のテイスト”に合う会社を見極めることが、満足のいく外構をつくる近道になります。
イメージしていただくとわかりやすいのですが、プランニングや作図は人の手で行われています。つまり、担当者や会社の好み・得意分野がそのまま仕上がりに反映されるということ。
もちろん、幅広いジャンルを得意とする会社もありますが、まずは気になる会社のホームページやSNSで施工事例を比較し、「この雰囲気が好き」と感じる会社を探してみましょう。
それが、理想の外構デザインを叶える最初の一歩です。
コスト重視型の特徴
コストパフォーマンスを重視し、他社よりいかに安く・効率的に工事できるかに力を入れている会社です。
- 既製品を組み合わせた提案が中心
- 細かい造作よりも土間コンクリート+機能門柱のみなどの簡単な施工が多い
- 価格を抑えたい方向けのスタイル
- アフターフォローは会社によって差が大きいため事前確認が大事
- 価格が安い
-
提案や施工を効率化し、人件費を削減することで価格を抑えています。
- 工期が短い
-
シンプルな施工内容にすることで、工事日数を短縮できます。
- 打ち合わせが早い
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既製品を中心に提案するため、プラン提示までがスピーディーです。
- 個性が出にくい
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既製品中心のため、他の家と似たデザインになりやすい傾向があります。
- 品質面に注意が必要
-
一部の会社では、見えない部分(鉄筋や砕石厚など)でコストを削減しているケースも。結果として、耐久性に影響が出る可能性があります。
- 図面が簡略化されがち
-
完成イメージが曖昧なまま契約してしまうと、仕上がりにギャップが生まれることも。
価格だけで選ぶと起きやすいギャップ
「できるだけ安くしたい」と思うのは当然ですが、デザイン性を重視する方からは「価格だけで選んで後悔した」という声も少なくありません。
外構は家電や車のように“完成品を買う”わけではないため、契約前にどんな外構になるのかを明確にすることが大切です。
工事が終わったあとに「やっぱりイメージと違った…」となると、リフォームし直す費用(解体費用+再施工費)がかかり、結果的に高くついてしまうこともあります。
安さだけで選んだ際のよくある後悔
- 1.こだわって建てた家が建売に見える
-
外構のデザインが一般的すぎると、せっかくのマイホームが周囲と似た印象になってしまいます。
- 2.図面が曖昧で、仕上がりがイメージと違う
-
特に造作壁や植栽、素材バランスを重視するデザイン外構では、図面での事前共有が非常に重要です。曖昧な図面では良し悪しが分かりづらく、完成後にギャップが生じることも。
- 3.アフターフォローが不十分
-
価格を抑えるためにフォロー体制を簡略化している会社もあります。
施工品質に自信を持つ会社ほど、引き渡し後も長期的なフォローを行う傾向があるので、万が一の問題が起きた際にも安心です。
特に1と2の後悔は、「外構工事にどれだけデザイン性を求めるか」というお客様自身の価値観によって大きく変わってきます。
ニューモラルスタンダードとは

まずは「ニューモラルスタンダード」について簡単にご説明します。
これはエクステリア業界全体で進められている倫理的な取り組みで、「他社の図面を使って受注しません」という明確なルールを掲げています。
図面・デザインを守ることで、工事品質と信頼性を維持することを目的としています。
なぜこの取り組みが必要なのか?

安さを前面に出している業者の中には、「他社の図面があれば安く工事しますよ」といって、他社の図面で施工を行おうとする会社もあります。
たしかに、作図にかかる人件費を節約できるため、一見すると安く見えるかもしれません。
しかし、図面やデザインは知的財産であり、著作権法違反につながる行為です。このような会社は信用できるとは言えません。
こういった会社は受注すること自体を目的としているケースが多く、下地など“見えない部分”の工事品質で手抜きが発生するという話も耳にします。
結果的に、引き渡し後に品質上の問題が起きるなど、
お客様ご自身にご迷惑がかかるリスクがあります。
| 主な目的 | 施工リスク | 特徴 | |
| 🚫 ニューモラルスタンダードに違反する会社 | 受注と利益が主目的 | 手抜き工事の危険性あり | 図面流用による低価格を強調 |
| 🎨 デザイン会社 | カッコいい空間の実現 | アフターフォローも期待できる | 自社でデザイン〜施工を一貫対応 |
デザイン会社が描いたプランを他社が施工すると、そもそもの目的が異なるため、見えない部分での手抜き工事や仕上がりのズレが起きやすいのです。
お客様へのお願い
ニューモラルスタンダードの理念は、お客様の工事品質を守るための取り組みでもあります。
ぜひ、外構プランやデザインを他社に渡さないようにしてください。それが、ご自身の大切の外構の工事品質を守ることにつながります。
自分に合う外構業者を見つけるポイント

「結局、外構業者はどうやって探せばいいの?オススメは?」といった質問が浮かぶかもしれません。
・・・答えはシンプルです。
それは、お客様の価値観によって異なります!
人によって重視するポイントが違うため、「この会社が正解です」とは一概に言えません。
デザインへのこだわりを重視する会社に依頼することが正解なお客様もいれば、価格の安さを重視している業者に依頼することが正解な場合もあります。
どちらが優れている・どちらを否定する、という話ではなく、お客様の価値観によって「良い業者」の定義は変わるのです。
| お客様のタイプ | 探すべき業者タイプ |
| 外構・庭にデザイン性を求めている方 | デザイン提案型の会社 |
| 外構・庭のデザインにはこだわらず価格重視 | コスト重視型の会社 |
ただし、一点だけご注意を。ニューモラルスタンダードに違反する会社は選ばないでください。
施工品質が下がると、後から大きなトラブルにつながる可能性があります。
判断基準は「何を重視したいか」
外構業者によって得意分野やデザインのカラーが異なるため、まず「何を重視するか」を明確にしましょう。
外構デザインを重視するなら
デザイン提案型がオススメです。
一生に一度のマイホームをより美しく魅せたい方には、好みの施工事例を多く持つ会社を選ぶことが近道です。
こだわり抜いた外構は、“世界に一つだけの外構・庭”を実現します。
コストを重視するなら
建築費が想定よりかさんで外構に予算を回せない方、外構や庭にこだわりのない方は、コスト重視型が合っています。
デザイン提案型を選ぶなら「好みの施工事例」をチェック

デザインセンスの一致は、満足度に直結します。
SNSやホームページで施工事例を見比べ、自分の好みに合うデザインを多く手掛けている会社を選ぶと間違いありません。
提案の丁寧さ・図面のクオリティも重要

また、外構工事は家電のように完成品を買うのではなく、“これから形にしていく空間”を契約する工事です。
そのため、提案の丁寧さや図面のクオリティが信頼度に大きく関わります。
丁寧な図面やパースで完成イメージを共有できる会社は、信頼度も高く、打ち合わせミスも起こりにくいです。
担当者との相性・信頼関係も大切
外構は、まだ存在していない空間に価格をつけて契約する工事です。だからこそ、担当者の対応・誠実さ・相性がとても大切です。
信頼できる担当者なら、工事中の不安も相談しやすく、完成まで安心して任せることができます。
また、「ニューモラルスタンダード」に違反する会社は論外です。誠実な対応をしてくれる会社かどうかも、見極めのポイントにしましょう。
アフターフォローの有無を確認
工事が終わって住み始めてからも、アフターフォローのある会社を選ぶと安心です。
安さを優先すると、フォローが弱いケースもありますが、アフター体制が整っている会社なら、万が一のトラブルにも迅速に対応してもらえます。
また、アフターフォローを通してつながりが続けば、将来的に「目隠しを追加したい」「カーポートを設置したい」などのリフォーム相談もスムーズに行えるのがメリットです。
工事を担当した会社であれば、敷地条件や設計意図を理解しているため、安心して追加工事を任せられます。
まとめ|“後悔しない外構工事”のため
この記事は、実際にお客様から「オススメの業者について教えてもらえますか?」と聞かれたときの経験をもとに執筆しました。
外構業界の一員として、デザイン会社・コスト重視型どちらの立場も理解したうえで、お客様が“自分に合った業者”を見つけられるようにという思いでまとめています。
- 求めているのはデザインか、価格か
- (デザイン重視の場合)好みの施工事例を多く持つ会社か
- アフターフォローがしっかりしているか
- 担当者が信頼できるか
- ニューモラルスタンダードに違反していないか
特に1〜4の項目を、見積もり依頼をする前に意識しておくだけで、お客様に合う外構業者を見極めやすくなります。
家づくりの締めくくりである外構工事。建物をより美しく引き立てる空間を実現し、長く愛着の持てる住まいをつくっていきましょう。
外構は毎日目にする場所であり、住まいの印象を左右します。
栄和ガーデン株式会社では、図面一枚・素材ひとつにこだわりながら、建物や暮らしに自然に馴染むデザインを心がけています。
「せっかくなら、長く愛着を持てる外構にしたい」
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご要望を丁寧に伺いながら、納得できる形を一緒に探していけたらと思います。















