グランピングをもっと身近に…自宅でできる可能性を探ってみました。
グランピングとは?
グランピングとは、「グラマラス(Glamorous 魅力的な)+キャンピング(Canping キャンプすること)」を元にした造語です。直訳すると、「魅力的なキャンプ」です。
一般的なグランピングのイメージを簡単に書くと、ホテル並みのアメニティを受けられる、テントの設営などの手間が不要な、ゴージャスで贅沢な新しいスタイルのキャンプのことです。
・グランピングの語源①~グラマラスとは
「グラマラス(Glamorous)とは、「魅力的」という意味の英単語です。
出典:https://meaning.jp/posts/2608
・グランピングの語源②~キャンピングとは
キャンピング(Camping)とは、「キャンプすること」という意味の英単語です。
グランピングの歴史
グランピングの歴史は、古くは1100年代までさかのぼることができます。
場所はモンゴル。チンギス・ハンの時代を想像していただくとイメージしやすいかもしれません。
いわゆる、遊牧民の暮らしです。モンゴルでは、大草原の中にパオ(モンゴルの遊牧民が使用する移動式住居、ゲルとも言います)を設営し、家具を中にしまいこみ、移動しながら暮していました。
パオの中では強い日差しや、砂漠の風、寒暖差から身を守ることができます。これが最も古いグランピングの形と考えられています。
次に、1900年代のアフリカです。当時、金持ちの欧米人が狩猟を目的に、アフリカを訪れる様になりました。
その際のキャンプの内容は、ダブルベッドや豪華な家具など、ラグジュアリーで快適なものでした。
1960年頃から、動物愛護思想の高まりからアフリカ観光は写真撮影中心となるのですが、観光客向けのロッジが造られました。
その後、2000年代初頭には富裕層向けの豪華なサファリロッジが造られるようになり、それが現在のグランピングの先駆けです。
「グランピング」という単語自体は、2005年に英国で生まれました。
英国のグランピングは、田園地方の牧歌的雰囲気の中、ハットと呼ばれる小型の小屋や、古い馬車風のトレーラー、モンゴル風テントであるパオなどに泊まります。
費用も手の届く範囲が一般的で、元々は、田園地方への気軽な旅行といったイメージで浸透していきました。その後、グランピングは欧米に広まり、非常に人気となっていくのです。
同じ頃、日本でもリゾート事業を運営する人たちの間で、グランピングと同様の様々なサービスが模索されていました。2010年頃には、海外で普及するグランピングの情報が日本にも届き始めました。
2015年秋、大手リゾートホテルチェーンがグランピング施設を開業し、ここから様々なメディア・SNSを通じて、「グランピング」の名が日本でも一気に拡散していくことになります。
グランピングとキャンプブーム
日本でのグランピングを考える上で、グランピングの元となる近年のキャンプブームについて、書いてみます。
数年前はキャンプグッズは専門店で買うイメージだったのが、最近は至る所でアウトドアグッズを目にする機会が増えてきました。SNSでも、さまざまな人がキャンプに関する投稿を上げています。
今、日本では「第二次キャンプブーム」が起きていると言われています。「第二次キャンプブーム」があるということは、もちろん、「第一次キャンプブーム」もありました。
第一次キャンプブーム
1990年代前半から始まった第一次キャンプブーム。日本オートキャンプ協会によると、キャンプ人口は1996年が最も多く、1.580万人にも上ったと言われています。
その時代に、「第一次キャンプブーム」が起きた理由は、「一般家庭への自動車の普及」と「週休二日制のスタート」がきっかけでした。
1966年、「マイカー元年」と呼ばれ、大衆車の代名詞である、トヨタ・カローラ、日産・サニーが発売された年。
この1966年の自動車保有台数は約884万台(トラック、バスなど含む)なのに対し、1997年には6,984万台になり、一家に一台、自動車が普及する様に時代が変わりました。
また、バブル景気(1986年12月~1991年2月、日本で起こった好景気)崩壊後、物質的に豊かな余暇の過ごし方から、自然の中に癒しを求める過ごし方に人々の意識がチェンジしていきます。
1992年からは国家公務員を始め、週休二日制を取り入れる企業が増えたことも起因となり、自家用車でのレジャー・キャンプが人気になりました。
その後、2000年に入り、日本の景気低迷と共に、キャンプ・アウトドアの低迷期に入ります(全盛期の半分程度にまで落ち込む)。
しかし、2013年以降、再びキャンプ熱が再燃し、キャンプ人口が増加していき、「第二次キャンプブーム」に突入していきます。
第二次キャンプブーム
このきっかけとなったのが、まずは「第一次キャンプブーム」の頃、子供だった世代が大人になり、自分で稼いだお金でキャンプを楽しむようになったことです。
次に、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSが発達し、「キャンプという非日常の光景」が、キャンプに興味のなかった人の目にも届くようになったことが大きいと思います。
しかし、キャンプの雰囲気を楽しんでみたいけど、虫は苦手だし、火を起こす自信がない。一からキャンプ道具を揃えるのもハードルが高い…。
そんなキャンプをしたいけれど、一歩を踏み出せない層も増えてきました。
そういったニーズの高まりを背景に、「グランピング」がビジネスとして動き出しました。
「グランピング」施設でのキャンプ体験をすることで、手ぶらで行っても、大自然の中、焚火を眺めながら静かに流れる時間を過ごすことが可能となりました。
木々の持つ爽やかな薫りに囲まれて、焚火の匂い、パチパチと鳴る薪の燃える音、炎の揺らぎに癒しを求めたり。星空の下、焚火の前で家族・友人と一緒にゆったり過ごしたり、ウイスキーを飲んで語り合ったり…。
グランピングという非日常を体験していると、日常のせわしない時間の流れから解き放たれます。
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚といった五感から愉しむ、グラマラスな休日を味わうことが可能です。こういったことから、日本でもグランピングブームが発展しました。
グランピングはDIYでもできる!?
グランピングをDIYでできるのでしょうか。アウトドアやキャンプは好きだけど、子供が小さくて中々出かけられない、もしくは、キャンプ場に行く時間が惜しい…etc.
いろんな事情があると思います。DIYでグランピングを楽しむことができれば、家族や仲のいい友人など、もっと気軽に、グランピングを楽しむことができます。
グランピングをDIYで楽しもうと考えている方のために、気軽に楽しめる方法をまとめてみました。参考にしてください。
グランピングはDIYでもできる
グランピング施設で体験する様な、ラグジュアリーな雰囲気や大自然を満喫することは難しいのですが、 グランピング本来の「魅惑的なキャンプ(グラマラス+キャンピング)」をDIYで楽しむことは可能です。
例えば、近年ブームになってきた、「ベランピング(ベランダで楽しむグランピング)」の形です。
自宅の庭にラグを敷き、テーブルやイス、ハンモックなどを設置して、ランタンや小型のバーナーなどを 準備してください。朝のコーヒーや、夜の晩酌など、外というだけで、非日常を感じながら一息つくことが できます。
もっと本格的に行うのであれば、日除けや目隠しの為にシェードやパラソルを設置したり、 床にホームセンターで買ったウッドパネルを敷き、横にテントを設営してみたりなど、 ご自身のセンスで魅惑的な空間を演出して楽しんでみてはいかがでしょうか。
グランピングはDIYではできないこともある
グランピングをDIYで行う上で、一部を「庭工事」という形で業者に頼んでおくことで、 よりラグジュアリーな空間を楽に演出することが可能です。
例えば、ウッドデッキや タイルテラスを工事しておけば、土で汚さず、お洒落なラグを広げることができます。
また、目隠しフェンスを設置しておけば、近隣からの視線を気にせず、外で過ごす時間を 楽しむことが可能です。
こういった、DIYで行うことが難しい部分は、「庭工事」として、 業者に依頼しておくことをオススメします。
グランピングを行わない時も、その部分は 「ガーデン」として活用が可能です。
グランピングをより楽しむために
グランピングをより楽しむために必要なことは、まずは、ゴージャスで プライベートな空間造りです。
先程、グランピングを自宅で楽しむデメリットにて、 近隣からの目線について書きましたが、適切な空間造りを行うことで、 デメリットを解消することができます。
例えば、横からの目隠しを行うため目隠しフェンスを設置する。また、上からの目隠しを行うためルーフを設置する。
これだけで、自宅の庭部分に落ち着けるプライベート空間を演出することができます。
また、単純に目隠しフェンスを取り付けるだけでなく、せっかくなら、 意匠性のあるアクセントウォールを造ったり、そこに造り付けのベンチを 造作することも可能です。
ルーフ部分にシェードを取り付けることで、 夏の強い日差しからも守ってくれます。
床にはデッキやタイルテラスで フロアを造り、アウトドアファーニチャーを置くと、そこはあなただけの カフェスペースになります。
また、例えば、大きくて、樹形の綺麗なシンボルツリーを 植え、夜間ライトアップするだけで、仕事から帰ったとき、ホッと一息つける、 空間を演出することができるのです。
この様に、適切に庭づくりを行えば、 グランピング施設に負けない、あなただけのグランピング空間を演出することが可能です。
ハード面を造ってしまえば、あとは、使い勝手は自由自在です。家族・友人と一緒に、 食事をしたり、珈琲やお酒を愉しんだり。夜風の中、みんなでまったり焚火をしながら、 ウイスキーを飲んで語り合ってもいいかもしれません。
外で食べる料理は格別です! 家からスキレットを持ち込んで、ローストビーフやパエリアを作ってみたり、 パンケーキを焼いてみたり、楽しくておいしい時間を楽しめます。
お気に入りのランタンを使って火を灯せば、ガーデンの照明とは異なった、 ムーディーな雰囲気を味わうことも可能です。自宅にいながら、気軽にグランピングを楽しむことができます。
グランピングと働き方改革
2019年4月1日、働き方改革関連法が施行されました。長時間労働の是正や年次有休休暇の取得の他、多様で柔軟な働き方に世間の注目が集まっています。
労働生産性を上げる方法の一つとして、テレワーク(在宅勤務)の制度を導入する企業が増えています。最近では、クラウドを用いることで、自宅に居ながら、仕事をすることも可能になりました。
長時間労働がなくなって、自宅に早く帰宅出来るようになって、例えば、そこにグランピングできる空間があれば、気軽に家族とゆったり過ごすことができます。
また、テレワークの際にも、アウトドアファーニチャーでPCを開き、珈琲を飲みながら作業することもできます。外の風を感じながらの作業は、オフィスでの仕事と比較して、ストレスも軽減します。
結果的には新しいアイデアも湧き出てきて、効率のいい仕事が出来るのではないでしょうか。
自宅にグランピングできる庭を造ることは、休みの日の楽しみだけではなく、これからの働き方にも合っているのではと思いました。
グランピングのまとめ
毎日、満員電車に揺られて通勤し、頑張ってバリバリ仕事をこなす日々。
毎日、家族の面倒を見て、料理や洗濯、掃除で忙しい日々。
そんな日常に、ふと、立ち止まりたくなる日もありますよね。
そんな時こそ、日常から離れて、自然の中で、何もしない贅沢を味わう選択肢もあるのではないでしょうか。
「グランピング」は、そんなあなたにオススメのリラクゼーションです。
高級なグランピング施設も良いと思いますし、自宅の庭にテントを張って、キャンプすることも良いと思います。一番大事なのは、自然の中でリラックスして、家族・友人と一緒に、非日常をまったり楽しむことだと思います。
さまざまな可能性のある「グランピング」、オススメのスタイルは、自宅の庭にいつでも「グランピング」できるガーデンを造ることです。
お洒落な空間で、気軽に「グランピング」できるため、高級なグランピング施設と気軽な庭キャンプと、両方の良いとこ取りができると思います。
自宅の庭は、何もしないでいると雑草など生えてきて、管理が大変です。
一度、ガーデンを造ってしまえば、見た目も、使い勝手も良くなって、お気に入りのデザインを長く楽しむことができます。
是非、ご自宅に「非日常空間を感じさせる」、「グランピング」できるガーデンを造ってみてはいかがでしょうか。