駐車場の床は、車を停めるスペースになるため面積が広く、外構イメージに大きく影響します。
今回は駐車場の床に使われる素材の種類とその特徴を紹介していきます。 外構の駐車場作りの参考になればうれしいです。
外構駐車場の床素材の種類と特徴は?
土間コンクリート 刷毛引き仕上げ
土間コンクリート「刷毛引き仕上げ」とは、多くの駐車場で採用されている最も一般的なコンクリートの仕上げです。
刷毛引き仕上げとは生コンクリートを流し込み、ある程度乾いてきた絶妙なタイミングで刷毛を使って表面に筋模様をつけていく工法です。
凹凸をつけることで雨の日も滑りにくく、安全性を高めることができます。
また、気候の変化に伴う土間コンクリートの伸縮の際に発生する「細かいクラック」が目立ちにくくなります。そのため、金鏝仕上げと比較すると、屋外空間である”外構”にオススメの施工方法です。
- メリット
-
- 滑り止め効果がある
- 細かいクラックが目立ちにくい
- デメリット
-
- 洗い出し仕上げと比較すると、タイヤ痕などの汚れが目立ちやすい
土間コンクリート 洗い出し仕上げ
土間コンクリートの「洗い出し仕上げ」とは、コンクリートが完全に固まる前に表面のモルタルを水で洗い流して、石や砂利を見せる工法です。
和モダンやナチュラルモダンに合う、やさしい雰囲気を演出できます。また、刷毛引き仕上げと比較するとタイヤ痕が目立ちにくいので、汚れが気になる方にもオススメです。
- メリット
-
- 和モダンやナチュラルな雰囲気に合う
- 滑り止め効果がある
- タイヤ痕や汚れが目立ちにくい
- デメリット
-
- 「刷毛引き仕上げ」に比べて費用が高額
- 経年変化として、砂利がボロボロと取れることがある
土間コンクリートの仕上げを変えるだけでも雰囲気が変わりますので、外構の打ち合わせ時に、お好みの雰囲気を相談してみてください。
タイル張り
タイルは汚れに強く、後々のメンテナンスもとても簡単です。カチッとした雰囲気はモダンなデザインにとても良く合います。
また、玄関ポーチと同じタイルを駐車場に使用すると、統一感を演出することができます。
- メリット
-
- 汚れにくく、メンテナンスがしやすい
- シンプルモダンなデザインによく似合う
- 建物のタイルを使用することで、統一感を演出できる
- デメリット
-
- 土間コンクリートと比較すると、金額が高くなる
- 製品寸法が決まっているため、敷地の高低差・形によっては切り物が多く入る可能性がある
- 敷地条件次第では使えるタイルのサイズ感も変わってくる
例えば、土汚れがついた場合、水をかけながらデッキブラシで洗うだけで簡単に綺麗になります。
完工後のメンテナンスも考慮すると、タイルはとてもオススメです。
しかし、タイルのモジュール寸法が決まっている関係上(製品寸法が決まっている関係上)、敷地の形状によっては使えるタイルを選ぶ必要が出てきます。
また、細かい切り物が入ると見た目にも影響するので、打ち合わせ時に相談することをおすすめします。
石張り
石材は天然素材のため大きさや形がさまざまで、他の素材では出せない高級感・重厚感を演出することができます。
自然素材独自の柔らかさが、見た目に優しい空間に仕上がります。
また、他素材では経年変化が「汚れ」に見えるものも、石材の場合は経年変化が「味」となる点も魅力的です。
- メリット
-
- 高級感、重厚感を演出できる
- 柔らかく優しい印象をつくれる
- 経年変化が「味」となる
- デメリット
-
- 石の場合は材料費も高いが、施工に手間がかかるため費用が高くなる
天然石は雨に濡れたときに表情を変えたり、月日が経つことでまた違った味を楽しむことができます。
インターロッキング
インターロッキングはコンクリートの二次製品であり、石・レンガ・タイル・木などをコンクリートで真似して表現した素材です。
他にもコンクリート製品ならではのモダンな印象のデザイン素材もあります。
- メリット
-
- 本物の石材やレンガより安く施工ができる
- 本物の木はシロアリが心配だが、コンクリート二次製品の場合は心配不要
- 水たまりができにくい透水性インターロッキング等、敷地に合わせた商品を選べる
- デメリット
-
- 商品によっては見た目に難あり
- 製品寸法が決まっている関係上、敷地条件によっては切り物が多く入る
- 敷地条件次第では使える商材も決まってしまう
本物の石やレンガを使用するより安く施工できるため、ご予算と絡めて見てみるとよいと思います。
他にもコンクリート二次製品だから表現できる形・意匠性もあるので、デザインの方向性に合わせて検討してみてください。
ドライテック
ドライテックとは、水を通す透水性コンクリートのことです。 お菓子の「雷おこし」のような構造をイメージしてください。
水勾配不要、雨水を地中に浸透させることによる「ヒートアイランド現象」予防などの多くのメリットから、近年弊社でも御見積依頼をいただくことが増えてきました。
ドライテックメーカー(株式会社フッコー)に問い合わせたところ、「ドライテックは2012年に発売した商品で、その3-4年前には塗床仕上げの下地として活用されており、十分実績がある商品」とのことです。
- メリット
-
- 水はけが良く、水勾配不要である
- ヒートアイランド現象の防止、ゲリラ豪雨対策につながる
- 土間コンクリートと比較して滑りにくく、高齢者施設などでも使用される
- 樹脂が含まれていない無機材のため、紫外線劣化や暑さにも強くコンクリート同等の耐久性を持っている
- 雪を溶かした水が地中にはけるため、土間コンクリートと比べると表層が凍りにくく、滑りにくいことからも雪の多い寒冷地でも好まれる
- デメリット
-
- 土間コンクリートと比較すると高額である
- 目詰まり対策として、日ごろからメンテナンスが必要になる
ドライテックは、土間コンクリートと同じプランで進めてしまうと、将来的に不具合が起きる可能性が高くなるため注意が必要です。
- 車庫で砂利目地を入れる場合、ドライテックの構造上、車が乗ると端部の石が取れる可能性がある
- 植栽帯など土と接する計画をする場合は、上や横からも土が入ってきて、ドライテックが将来的に目詰まりを起こす可能性がある(土と接する部分に見切りを入れるなどの工夫で対策可能)
ゲリラ豪雨対策としても、滑りにくさの追求や寒冷地での施工にしてもメリットが多いドライテック。うまく計画に取り込むことでメリットを最大限に生かしてくださいね。
土間コンクリートのクラック(亀裂)を考える
コンクリートには、収縮したり膨張したりする性質があることをご存じでしょうか。
ものすごく簡単に書くと、気温差でも収縮・膨張がある為、その時に膨張を緩衝できない場合に、クラック(亀裂)が発生します。
しかし、計画に工夫を施すことで、クラック(亀裂)は予防できます。
土間コンクリートの分割を計画する
クラック(亀裂)対策として最も大事なのは、土間コンクリートの分割を計画することです。
具体的には土間コンクリートの一桝のサイズを6-9㎡程度ごとに分けたり、3m以内ごとに目地を設けるなどを行います。
目地とはコンクリートが割れないようにするために入れるスリットのことです。
次の章で目地の種類や特徴をご紹介していきます。
目地の種類と特徴は?
コンクリートのクラック(亀裂)対策として用いる目地にも種類がいくつかあります。代表的な3つをご紹介します。
目地棒(伸縮目地/エキスパンタイ)
目地棒(収縮目地/エキスパンタイ)は、土間コンクリートの目地材です。
下部分がスポンジになっており、この部分でコンクリートの膨張や収縮の変化を吸収することができます。
上部分は、スポンジが曲がりにくいようにするための補強となります。 シンプルな仕上がりになるのが特徴です。
砂利目地
砂利目地とは、スリットの中に砂利を入れます。
色も種類があるため、家の雰囲気に合わせて砂利を選べるのもメリットです。
芝目地
芝目地は、スリットの中に芝生を植えます。
緑がアクセントとして入るだけで、ナチュラルな雰囲気を作りだすことができます。天然芝のメンテナンスが気になる場合は、人工芝で作ることも可能です。
まとめ:駐車場の床素材えらびについて
いかがでしたでしょうか? 満足のいく駐車場を実現するための床素材について知っておきたいポイントについて詳しくご紹介しました。
駐車場の床素材は、デザイン面、機能面の両面において日常の暮らしの質を上げるための重要な要素となります。
やりたいイメージがあっても、施工業者によっては施工が出来ないことがあるのも駐車場が多いです。
栄和ガーデン株式会社では、駐車場の外構の施工事例が豊富にあり、一軒づつオーダーメイドでお客様だけのデザインをご提案いたします。
また、40年以上にわたって大手ハウスメーカーの施工基準に対応し続けた実績と豊富な施工事例をもとに、高品質なサービスを提供しています。